moratorium

情報系学生のメモ帳

ラブライブ! オルタネイティヴ 『私たちの夢』

――1999年、2月。東京都内、音ノ木坂衛士訓練学校。

【穂乃果】「はっ……、はっ……、はっ……」

こうして息を吐くたび、グラウンドを走り続けて火照った肺の中へ冷え切った空気が入り込んでくる。

【花陽】「はぁっ…………、はぁっ…………」

【教官】「おい小泉ィ! 誰が歩けと言った!?」

【花陽】「はっ……、申し訳ありません……、教官殿っ……」

振り向かえると、私の後ろを走っていたはずの花陽は二人分ほど遅れて走っている。

【凛】「かよちん、あと10周、がんばって!」

【花陽】「うんっ……、はぁっ……、はっ……」

星空凛小泉花陽。私と同じ小隊の、1つ歳下の二人。私たちと同じく、女子の徴兵年齢引き下げによりこの訓練校に配属された。

凛はよくやっている。座学は努力が必要だが、天性の運動能力を持っている。年齢の差などというものがなければ、私ではなく彼女が小隊長を務めるべきであろう。

問題は……、花陽だ。同じタイミングで訓練を始めた私たちとの基礎体力の差は、日に日に大きくなっているように感じる。

【ことり】「はっ、はっ……、穂乃果ちゃん、花陽ちゃんが……」

隣を走っていることりが小声で言った。

【穂乃果】「はっ……、はっ……、わかってる……」

私の幼なじみ、南ことり。同じ訓練校を希望したとは言え、こうして同じ小隊で訓練することになるとは思ってもいなかった。

【穂乃果】「花陽! あんたまだまだいけるでしょ!?」

【花陽】「はぁっ……、はいっ! はぁっ…………」

こうして発破をかけるのは小隊長の役目、ということだろう。ことりは彼女たちをよく見ているが、直接なにかを言うことは少ない。厳しいことに関しては特にその傾向を感じる。

(中断 20.05.15(金) 22:43)